2010年1月18日月曜日

教育庁報 No.559 1月5日発行 東京都教育委員会発行















東京都教育委員会 委員長  木村 孟
 明けましておめでとうございます。本年も何とぞよろしくお願い申し上げます。
 昨年は、全国都道府県教育委員会連合会のミッションの一員として、フィンランドを訪れ、1週間にわたって、最近世界的に注目を集めているフィンランドの教育をつぶさに見て参りました。いくつかの問題もあるようですが、全体としては実に良く考えられた教育システムであり、素晴らしい成果が挙がっているとの強い印象を受けました。

 何故、フィンランドの教育が大きな成功を収めているのか、人それぞれに解釈が違いますが、私は以下の5点が成功の要因であろうと考えています。すなわち、

第1点は家庭教育がしっかりしていること、
第2点が小さいころから子供たちに自主性、責任感を持たせる努力をしていること、
第3点が最大20人の少人数クラス編制、
第4点が教員の質の高さ、
第5点が物づくりの重視です。

第1点についてですが、フィンランドはほとんどすべての職場が8時―16時の勤務体制となっており、残業はほとんどなく、勤務が終わると直ちに帰宅し、家族と過ごす時間を出来るだけ長く持つ努力をしているとのことです。また、家庭における本の読み聞かせが、一つの社会慣習になっており、学校へ上がった子供たちの読書量も非常に多いようです。

第2の点は、6歳のプレスクールの時期から、将来はどんなことをしたいのか、どんな夢を持っているか等について、子供たちに語らせ、自分がどんな人間であるかを理解させる努力をしています。このプロセスにおいて、先生方は、絶対に自分の考え方を押し付けるようなことはせず、それぞれの子供たちが、どのような特徴を持っているのかを詳細に観察することに徹していると聞きました。この段階で作られたポートフォリオは、子供たちが入学する小学校へ届けられる仕組みになっています。子供たちに自主性、自己責任感を持たせようとする努力は、高等学校レベルまで続けられるようです。

第3の点については特にコメントするまでもありませんが、習熟度別クラス編制は廃止したそうです。その代わり、習熟度の低い子供たちには、徹底したリメディアル教育を行っています。


★第4の点については、我が国でも良く知られているようですが、中学までの義務教育課程並びに普通高校課程で教える教員は、修士課程修了者でなければなりません。しかも修士までの5年間に、ふんだんに実地研修が課されます。また、中学校レベルになりますと、日本と同じく教科担任制になりますが、物理の教員は、物理学科の修士号を取得する必要があります。将来、大学、研究所等で物理の研究を行う研究者と全く同じ教育を受け、研究に従事した者でなければなりません。

第5の点ですが、訪れた中学校には日本では見たこともないような立派な工作室があり、ここで、金工、木工等様々な物づくりに取り組んでいました。中学レベルでは、この授業は必修となっています。高校になると選択教科になるそうですが、多くの学生がこの科目を選択すると聞きました。このような教育システムがあるためか、日本で大きな問題となっている、職業課程を評価しないという風潮は、極めて少ないようです。このことが、極めて格差の少ない国づくりにも一役買っています。
 
 フィンランドの人口は530万人で、我が国の20分の1以下です。フィンランドの教育システムをそのまま、我が国に導入することには、大きな無理がありますが、家庭教育の再構築、問題を抱える学年・学級への教員の加配とリメディアル教育の実施、職業教育の実施等は、出来ないことではないように思います。フィンランドの教育については、もっともっとお話したいことがありますが、稿を改めたいと思います。今年も、一緒に頑張りましょう。

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★は日教組の主張と符号しております。流行でしょうかね。
大学が学力のない学士量産をしており、学士の価値がなくなってしまいました。
修士まで二年延長で何が変わるんでしょうか。早くみならいとしてでも現場にでる方がいいきがします。




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